FF11の活性化に必要なものは?着替え文化こそが目指すべき未来か。

こんにちは、『ぅて』です。

今回は、FF11における「戦闘中の装備変更」──いわゆる“着替え”について、『着替えの呪縛』と題して掘り下げてみたいと思います。もう長年プレイしていると当たり前になっている戦闘中の細かな着替え文化ですが、実はこれ、他のゲームではほとんど見られないFF11の文化であり、独自のゲームスタイルとして醸成されてきました。

これこそがFF11が23周年を迎えてもなおコアプレイヤーが日々の活動に邁進するための原動力となっていると思っています。

目次

FF11の「着替えゲーム」とは何か

FF11では、戦闘中に装備を頻繁に切り替えていくのがごく普通のプレイスタイルです。たとえば魔法を1つ使うときでも、以下のような手順を踏みます。

  • 詠唱前:詠唱短縮装備を着用
  • 詠唱中:魔法威力アップ装備に切り替え
  • 詠唱完了後:被ダメージカット装備などの待機装備に戻す

これが一つ二つの装備を切り替えるのならよくあるゲーム設計ですが、FF11ではこの一連の流れで数十もの装備変更が行われます。

このような装備の切り替えをマクロで一瞬で行うことで、どの場面でも“最適”な装備状態で行動を取ることができる──これが“着替えゲー”と呼ばれる所以です。

しかもこの装備最適化は“やり込み”の一環というより、FF11においてはコンテンツバランスの前提になっています。つまり、着替えができないとまともに戦えない。これがこのゲームの独特さであり、面白さでもあります。

装備が「強さ」じゃない。「最適化」が「強さ」

多くのゲームでは「より強い装備=より高いステータス」が常識ですが、FF11ではちょっと違います。

同じ部位の装備を状況ごとに複数持つのが前提で、

  • 命中重視
  • 回転重視
  • 効率重視
  • 魔命重視
  • スキル重視
  • 詠唱短縮重視
  • 威力重視

……など、用途ごとに装備を集め、さらに様々なプロパティを細かく切り替えていくことで初めて「強さ」が成立するのです。

装備変更コマンドの歴史

今日の着替えの走りとなる装備変更がマクロで出来るようになったのは2002年5月のサービス開始から2か月後のバージョンアップです。

テキストコマンド『equip』が実装され、16個所の装備枠を自由に瞬時に記述した装備に切り替えることが出来るようになりました。

筆者も当時、20台の赤魔道士の頃、パライズ詠唱時に首をスパイクネックレスから正義バッジへと変更していたものです。

一つのマクロで7行、つまり7か所の装備変更指定が出来ていました。

LV75時代はまだまだそれほどでしたが、LV99時代はこれらを駆使するマクロ術もプレイヤースキルの一つとなっていました。

アドゥリンの魔境以降はアイテムレベルという概念になり、まもなく登場した『equipset(装備セット)』という形で16個所を一気に切り替えることが出来るようになりました。

ここからさらに着替えゲーが加速したようにも思えます。

現在では最大200個まで装備セットが登録でき、1秒毎にセットコマンドを使用することができます。

一つ一つの行動で装備セットを駆使することでキャラクターのパフォーマンスは跳ね上がります。使いこなすために必要な知識量と準備の手間はかなりのものですが、だからこそ“極めがい”があるという見方もできます。

FF14ではどうなのか?

後継のMMOであるFF14では戦闘中の装備変更は原則できないようです。

明確にジョブ毎のロールが分けられており、ジョブ理解、スキル回し、ギミックへの対応に加えて装備の強さがプレイヤーとしての高みへと繋がるよう設計されているのではと想像します。
(※私はFF14はさわり部分しかやっていないので違ったらすみません。)

これは一見するととても健全なゲーム設計でありつつも、実はFF11が抱える“複雑すぎる装備最適化”への明確なアンチテーゼとも言えます。

着替えゲーの魅力と課題

FF11の着替え文化には、明確なメリットとデメリットがあります。

魅力(ポジティブな側面)

  • アクション1つ1つに最適な装備を用意する楽しさ
  • 装備集めが「状況対応力」に繋がる設計
  • 熟練によって差が出るプレイスキルの深さ

課題(ネガティブな側面)

  • 新規参入者にとっての高すぎる壁(エンドコンテンツへの参入)
  • 汎用装備の価値が下がる(=特化装備以外いらない)
  • マクロ・装備セット管理が煩雑、作り込みに時間と知識を要す
  • 実は現役プレイヤーも新たなジョブの準備ハードルが高い
  • 開発も追加装備の性能バランスが難しい

FF11では戦闘のバランスそのものが着替え前提で設計されているため、この文化から逃れることができません。極端な話、「着替えを使わない=エンドコンテンツでは通用しない」構図が成立してしまうのです。

着替えゲーがプレイの主役になる

FF11の着替え文化は、単なる装備変更の“便利機能”にとどまらず、ゲームプレイの根幹に関わる基本動作です。装備変更を駆使することがプレイヤースキルであり、攻略手段であり、成長の証でもある。

数十の武器、数百の防具・アクセサリを抱えながらも着替えの呪縛にどっぷりハマったコアプレイヤーはこれからも様々な装備を収集していきます。

図らずとも着替えゲーであることで根源的な収集欲求と達成感、成長実感が深くリンクしているわけです。

だからこそ、FF11の「着替えゲー」は敬遠されることもありつつも、23年経った今でも根強いファンに支えられているのかもしれません。

これから目指すべき未来

数値のインフレよりも可能な限り既存の武器・防具・アクセサリとの競合を避けたピンポイント品、あるいは何かと何かの8分目、実用性がすぐには見えないようなユニークなもので収集欲を上手く刺激しながらコンテンツと共に実装していくのが良いのではと考えます。

末長い運営を期待したいし、その為にも安定してプレイしてくれている層をしっかりと満足させ続ける施策を打ち出してほしい。

おわりに

“着替え”──この一言に、FF11というゲームの文化と歴史が凝縮されています。

その手間と必要な知識の量にうんざりしながらも、気づけば用語辞典で調べて集める算段を立てていた。

そんなプレイヤーは私だけではないはず。FF11の“着替えゲー”は、他のMMOとは違う、異質で、そして奥深い体験を提供してくれる存在なのです。

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